どうもさといです。
今回のテーマは「医師との接し方」です。
病棟で勤務していたり、SNSを見ていると
医師との接し方で悩んでいる方を多くお見受けします。
そこで現役病棟看護師であるさといが
うまく協働するためのコツについて考えてみたいと思います。
なぜ医師との接し方を考える必要があるのか
まずはなぜ医師との接し方を考える必要があるのかをご説明します。
病棟における、医師・看護師関係はとても特殊で複雑です。
その理由を下記のように考えてみました。
・看護師は医師の指示のもとでしか医療行為を行えない
・療養上の世話を一手に担っていて一番患者と身近なのは看護師
・看護の力が無くては医療は成り立たない
普通の会社であれば、上司・部下の関係ってシンプルだと思うのですが
医師・看護師関係は、指示命令系統上は医師→看護師なのに
性質上、医師は看護師の意見を無視できないし
看護師はどんなに経験を重ね、知識やスキルがあっても、
医師の独占業務は犯せません。
そしてさらに医師・看護師関係が一筋縄でいかない理由があります。
まず、医師と看護師の意見は必ずしも合致しないということです。
患者のニーズは多様であり、
それをくみ取り、介入に反映させることが看護には必要ですが
医師は必ずしもそうではありません。
病気を治すことにフォーカスしているので、それをすり合わせる必要があります。
そして医師はとても多忙です。
特に大学病院の医師は、ほんと同情するほど忙しそうです。
すべての医師がそうではないですが、
看護師と意見のすり合わせをじっくり行う余裕が無いことがあります。
以上のような特殊な条件が多数あるので
医師との接し方について考える必要があるのです。
よくある医師とのトラブル(看護師目線)
次によくある医師とのトラブルを紹介します。
どのような時にトラブルに発展するのかを知っておくことは
それを回避するために重要です。
しかし、これはあくまでも看護師目線のみの事例です。
・報告がうまくできない
看護師は患者の状態を正確にかつ簡潔に医師へ報告する必要があります。
その際に、正確ではない情報を伝えてしまったり
何を報告したいのかよくわからない内容になってしまったり
報告すべきことなのに、報告がなされなかったりすると
医師によっては怒ったり機嫌を損ねたりします。
・指示が出されない、間違いがある
前述したとおり看護師は医師の指示の下でしか医療行為を行えません。
また例えば、水を飲ませても良いのか
歩かせても良いのかなど
日常生活のちょっとしたことでも医師の指示が必要なことがあります。
そんなときにタイムリーに指示が出されないと
水を飲んでも良いのかわからない、トイレへ行っても良いのかわからない
という時間が発生してしまうのです。
患者からしたらたまったもんじゃありません。
看護師にはどうしようもできないのですが
しかし医師への連絡はなかなかつながらない。
患者は目の前に居る看護師にヒートアップしてくる・・。
よくありますよね。
ようやく医師と連絡が取れたと思えば
「どうぞ」の一言だったりして、
ほんとモヤモヤしてしまいます。
あとは医師の指示が間違っていて、
それに気づければいいんだけど
気づけなくて、間違った指示通り実施されて
でもそれはなぜか看護師の責任を問われてモヤモヤすることもあります。
他にもたくさんのトラブルの種がありますが
代表的なのは上記のような報告に関することと指示に関することでしょうか。
それでも医師とのコミュニケーションを躊躇してはいけない
医師とのやりとりがうまくいかなかったり
怒られたりすると
医師とコミュニケーションをとるのを躊躇してしまうことってありますよね。
しかしそれはタイムリーな報告がなされない原因になり、
とても危険なことです。
これはもちろん看護師だけに要因があるわけではありません。
不要なバイアスがかかってしまう態度をとっている医師に問題があります。
しかし、そのことで不利益を被るのは患者なのです。
医師の態度の問題は、上司に報告するなどして働きかける一方で
躊躇なく医師とコミュニケーションをとるための心構えが必要です。
ここまで「医師との接し方」を解説してきてなんですが
個人的には、そんなこと考える必要はないということが結論です。
医師・看護師は協同関係です。
看護師の目線は、医師の忙しさやご機嫌ではなく
患者にのみ向くべきです。
そしてタイムリーに医師へ報告することや
些細な情報でも医師と共有することは
自分を守ることにもつながります。
報告がなされずに患者に不利益がいったときには
それは看護師の責任です。
「空気を読まずに、自分のすべきことを黙々と行う」
これが私流の医師との接し方の大前提です。
もちろん看護師として、報告のスキルや患者状態のアセスメント能力を高める努力は必要です。
しかし、そこに自信が無い、怒られたらどうしよう、怖いといったバイアスは
「でも患者のため」「それが仕事」と割り切って取り除けるようにしましょう。
報告のスキルについては下記の記事も参考にしていただければと思います。
そしてもちろん関係性が築けていたほうが良いに決まっていることは確かなので
医師をねぎらったり、ちょっとした日常会話を挟むことも
お互いに大事にしたいですね。
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