患者からの暴力を許すな

ここが変だよ看護師

どうもさといです。

前回、患者からのセクハラについて取り上げました。

そして今回は、「暴力」についてです。

セクハラ同様、よくSNSで見聞きする嘆きですよね。

暴力を振るわれたのに特になんの対応もなかったり

再び暴力を振るわれる恐怖を感じながら看護をしなければならなかったり

これはとても異常なことです。

患者から暴力を振るわれた時、どのように対応すべきか考えていきましょう。

患者から暴力を振るわれた時

まずその場で人を集めて事実確認をしてください。

ナースコールを活用しても良いです。

その場で事実確認をする理由は、言い訳をさせないためです。

一度退室し時間が経てば、すっとぼけられてしまう可能性があります。

そしてお辛いでしょうが、何をされたのか、何を言われたのか

鮮明に記録に残してください。

記録は自分を守る盾であり、

相手を糾弾する武器でもあります。

その後は所属長と医師へ報告してください。

そして所属長や医師は、事実を確認したうえで

強制退院としてください。

そのうえで被害を受けたスタッフは

必ず受診行動をとってください。

診てくれるならそのまま自身の職場でかまいません。

「たいしたことないから平気」と面倒くさがらないでください。

受診料は労災になりますし、なによりあなたが暴力を受けた証拠として受診記録が残ります。

そして万が一身体のどこかに損傷を起こしていた時の、異常の早期発見につながります。

さらにさらに

被害を受けたスタッフは警察を呼ぶかどうか決めてください。

管理者や医師に何と言われようが、

警察を呼ぶかどうか

加害者に罰を与えるかどうかは

あなたが決められます。

もしかしたら「そんなに大事にしなくても」などと言われるかもしれません。

しかしそんなの関係ありません。

これらのような対応を取らず

「もうしないでくださいね」とか「ご家族にいいつけますよ」的な対応は

まったく意味をなしません。またやります。

暴力は犯罪

考えてみてください。

街中で他人から暴力を振るわれたら

警察沙汰になりますよね。

それはそこが病院で相手が患者だろうが

なんら変わりありません。

犯罪行為です。

犯罪行為をした人はもう看護の対象ではありません。

なぜならその人はもう患者ではなく、犯罪者だからです。

嫌な思いをされたのなら、泣き寝入りしないでください。

被害者が増えます。

今回の記事は精神科以外の診療科におけるケースを想定しています。

なぜなら精神科において、病的体験に左右されて暴力行為をする患者は、

看護の対象になりえるからです。

なぜ患者の暴力は無くならず許されてしまう風土があるのか

患者からの暴力を見聞きしたことはあっても

その後に強制退院になったり

警察沙汰になったりすることって稀ですよね。

その理由についてさといなりに考えてみました。

まず管理者目線としては、事を荒立てたくないからです。

自分が監督する部署で、問題は起きてほしくないものです。

そして医師目線では、まだ治療の対象だからです。

入院中の患者においては、治療や検査が必要だから入院しているわけであって

そこから追い出すようなことはしたくないのです。

被害者目線としては、対象は患者であり、糾弾していいわけがないと思ってしまうからです。

街中でされたときと、院内でされたときの違いはここにあります。

そして医療者全員の目線として、今まで院内での暴力は厳重注意程度で済ませてきたり

せん妄だからとか、認知症だからといって、許容されてきたという点です。

これは空気であり、風土です。

暴力を振るわれても、

まあそんなこともあるでしょ

よくあること

と片付けてしまうのです。

これはとっても異常なことです。

以上の点から、暴力行為は無くならないし、特に取り沙汰されないのです。

暴力行為の被害を減らすために

暴力を振るわれた報告を受けたら

被害者の意思を確認しながらですが

できる限り加害者の患者を退院させるよう立ち回りましょう。

そして最大限被害者のスタッフをねぎらいましょう。

ただ一生懸命働いているだけなのに

ただ一生懸命看護を提供しているだけなのに

その見返りとして暴力を振るわれたり

怖い想いをするなんてことがあってはなりません。

院内での暴力被害を無くす方法はただ一つ

絶対に許容しないことです。

たまに、「病人を追い出すのか」

と、許しを請う加害者がいます。

また加害者だけでなく

「その人の病気はどうなるの」と管理者や医師までもが

泣き寝入りさせたり、うやむやにさせようとしてきます。

これははっきり言えますが

病気だろうがなんだろうが、全く関係ありません。

病気は犯罪を犯してもいい免罪符になるのでしょうか。

なりませんよね。

病気を治したいなら、暴力をするなという話です。

そして暴力行為についてのみお話ししてきましたが

「暴言」についても言葉の暴力だと考えています。

明らかに悪意を持って、スタッフを傷つけようとして

暴言を吐いてくる人がいます。

そのようなケースでも上記の対応を取っていただければと思います。

スタッフが安全に、安心して医療を提供できるような環境が整うことを

祈っています。

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