どうもさといです。
看護師の残業が無くならない理由としてよくあるケースは
自分の仕事が終わった後に
他の人に「何か手伝えることはありますか?」
と聞く文化があるためだと思います。
手伝ってみんなで帰るためなんだから良いじゃん!
と思うかもしれませんが
はたして本当に良い事なのでしょうか。
残業して他の人の手伝いをすべき?
答えはNOです。
手伝いはしないほうが良いです。
その理由は
理由①適正な残業ではない
まず「残業とは」ということについて考えてみましょう。
残業は、職場が決めた所定労務時間を超えて働くことですね。
36協定が結ばれて初めて残業をさせることができます。
必要な手続きとして、
管理者がスタッフの業務量を管理する
時間内に終わらなそうであれば、
その仕事を割り振るなどして時間内で終えられるよう調整する
それでもどうしても仕事が終わらない場合に
管理者はスタッフに残業を依頼する
という流れがあります。
そうすることで残業時間もスタッフを管理しやすく
個人の仕事スピードを把握出来たり
最初に仕事を割り振るときの参考材料が得られたりするわけです。
しかしこの手続きがしっかり踏まれている病棟は少ないように思います。
この残業取得に必要な手続きを知っていれば
スタッフ間で時間外に行われる
「手伝って」や「手伝うよ」といったやりとりが
適正ではないことがわかりますよね。
もしどうしても手伝いたい、手伝ってほしいなら
管理者や上司に申し出ましょう。
そこから他のスタッフに残業を依頼し
割り振るかどうかは、管理者の裁量となります。
理由②効率的でない
手伝う、手伝わせるということは
もとはその人の仕事ではないことをする、させることになりますよね。
自分の受け持ち患者に関する看護業務は
情報収集をし、看護提供をし、
たくさんの情報を把握しているからスムーズにできることがほとんどです。
後回しにされがちな業務で考えてみると
看護必要度や看護記録など、
他の人が手伝うときに改めて情報を得ないと、取り組めないのです。
例えば
担当看護師のAさんなら30分の残業時間でできる仕事を
他の患者さんを受け持っていた看護師Bさんに依頼すると、
30分以上かかってしまうことになります。
これはとても非効率的です。
理由③コストが余分にかかる
これは理由②とリンクしているのですが、
Aさんの残業時間が1時間なのは確定しているとしましょう。
Bさんが手伝いに入り、Aさんの半分の仕事を引き受けました。
ところが前述したとおり、Bさんは情報を把握しながら行うのでスピードが出ず、
Aさんなら30分で終わる内容が、Bさんが行うことで45分かかりました。
結果、Aさん30分、Bさん45分の残業となりました。
このようなことが日々、あちらこちらで起これば
どんどんそのコストはかさみます。
理由④精神的に辛い
例えば日々の日勤者数が8人だとしましょう。
4人が定時で終わり、4人は定時で終わりませんでした。
定時で終わった4人は帰らず手伝いをし、みんなで残業しました。
たしかに定時で終わらなかった4人は、残業時間が減ったのでしょう。
しかしそれではその部署は
どれだけ早く仕事をしても、他の人が終わらなければ
絶対に定時で帰れないということになりますよね。
自分の頑張りとは関係ない要素が絡むわけで
これは精神的にとても辛いです。
また本来手伝えば感謝されるものですが
その手伝い文化が常習化されることで
それが当たり前になり、
「あの人は手伝わずに帰ってずるい」と思われる恐怖から
手伝いたくなくても手伝わなくてはいけない風土が生まれます。
さらに自分の仕事が終わらなかったケースでは
他の人に残業を依頼する気兼ねや罪悪感が生じることもあります。
個人的には
時間で終わったら帰りたいと思うし、時間で終わったなら帰ってほしいと思います。
理由⑤エラーが起きやすいし責任の所在があいまいになる
手伝いはエラーが起きやすいです。
なぜなら改めて得た情報を元に仕事をすることで
情報収集漏れが起きる可能性があるからです。
そして例えば手伝っていた人がその中で、
なにかしらのエラーを起こしたとしましょう。
このエラーの責任はエラーを起こした人なのか、
そもそも手伝いを依頼しなければそのエラーは起きていなかったのか?
じゃあ手伝いを依頼した人の責任なのか?
というように責任の所在があいまいになります。
またエラーを起こした人は手伝ったのに「なんかすみません」となるし
依頼した人は、依頼したばっかりにエラーが起きてしまって「なんかすみません」となり
とても気まずいです。個人的にあるあるです。
理由⑥不公平が生まれる
これもあるあるなのですが
手伝う人と手伝われる人ってだいたい決まっていません?
いつもランダムなら、フラストレーションも少ないんです。
しかし、仕事が早い人はいつも誰かの手伝いをし、
仕事が遅い人はいつも手伝われる。
これが当たり前になると
仕事が早い人はフラストレーションがたまり
仕事が遅い人は、仕事が早い人に甘える。
さらには仕事が遅い人は急ぐことをしなくなります。
だって手伝ってもらえるから。
この負の悪循環が生まれてしまえば良いことなんて一つもありません。
注意していただきたいのは、ここで言う手伝われる側に
新卒者や異動者などの不慣れな人は対象に含みません。
なぜなら新卒者や異動者は手伝われているわけではなく、
フォローアップされているだけだからであり
それは適正な運用と言えます。
以上が残業して他の人を手伝う行為が良くない理由でした。
果てしない残業を抱えて、手伝ってもらえないとどうしようもない
なんてケースもありますよね。
それは時間内にしっかり上司や管理者に伝えて、調整してもらいましょう。
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